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2017.10.19

血液検査で分かるピロリ菌の有無、 除菌するなら知っておきたい5項目

2010年代は50歳以上の日本人の50%以上の人がピロリ菌に感染しているといわれています。

若い世代ほど感染率は低いものの、感染者は高い確率で胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんを発症するという統計があります。自分がピロリ菌に感染しているかどうかは幾つかの検査方法で調べることができます。胃カメラ検査、呼気検査、便検査、尿検査に加え、血液検査でもピロリ菌の有無が分かります。血液検査の場合は、通常の健康診断の際の血液検査のオプションとして調べることができるため忙しい方でも簡単に調べられます。

血液検査の結果、ピロリ菌の存在が確認できた場合、内服薬を服用して除菌することができます。ピロリ菌を除菌する際に知っておきたい5つの事柄を説明します。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍のリスクがほとんど無くなる

ピロリ菌とは胃や十二指腸で悪さをする菌です。ほとんどの菌は強力な胃酸により除菌されるのですが、ピロリ菌は胃酸の中でも生き続けることができるため、一度感染すると自然に除菌されることはありません。ピロリ菌除菌薬で除菌することにより、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のリスクはほとんど無くなります。

ピロリ菌除菌で胃がんリスクが減少

ピロリ菌を除菌する場合としない場合では、胃がんになるリスクが約3倍の違いがあるといわれています(10年間で胃がんになった人の割合が、ピロリ菌に感染していない人で0%、感染している人で2.9%)。胃がんは慢性胃炎から萎縮性胃炎となり胃がんへと移行していきます。胃炎などの初期の症状のうちにピロリ菌を除去しておくことで、胃がんへと移行するリスクを減少させることができます。しかし、胃がんの原因はピロリ菌だけではないため、ピロリ菌を除去したからといって100%胃がんにならないわけではありません。ピロリ菌除去後も定期的な検診は受けるようにしましょう。

除菌薬で副作用が出ることもある

ピロリ菌除菌の為に3種類の薬を併用して1週間内服します。その期間中、下痢や口内炎、味覚障害、発熱、腹痛、発疹、肝機能値の上昇などの副作用が現れる場合があります。しかし、副作用が現れたからといって除菌薬の内服をやめてしまうとピロリ菌は除菌されずに残ってしまいます。重篤な副作用が出た場合は、すぐに服用を中止し、医師に相談する必要がありますが、軽い副作用は誰にでも起こりうると想定した上で内服するようにしましょう。

除菌後逆流性食道炎になることもある

ピロリ菌が存在していることで胃酸の分泌が抑えられていた場合、ピロリ菌除菌後に胃酸の分泌が本来の量になり、逆流性食道炎になってしまうということもありえます。またもともと逆流性食道炎があった方は症状が一時的に悪化する場合もあります。

除菌が失敗することもある

ピロリ菌除去は一度で成功すると、その後繰り返し除菌する必要はなくなります。近年新薬が登場し、一度で成功する成功率は約92%といわれていて、除菌は最高二度までです。二度目の除菌成功率は約98%といわれています。しかし100%ではないため、二度除菌を行ってもわずかながら失敗する可能性もあるということも知っておく必要があります。

最後に・・・

これらの事がらを比較検討してから、ピロリ菌を除菌するかどうかを決定するようにしましょう。一般的には40代以下の若い世代は後々の胃がんになるリスクや胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍になる可能性をかんがみて早めに除菌することが勧められています。

監修

医師: 塚田 紀理
株式会社HMCエデュケーション 代表取締役社長