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2017.12.26

血液検査のクレアチニン(Cr)値で分かる5つの病気

健康診断の際の血液検査の基本項目に「Cr」という項目があります。これはクレアチニンという物質の血中の数値を表しています。クレアチニンとは筋肉を動かす際に必要なアミノ酸であるクレアチンが代謝されてできた老廃物です。

クレアチニンが血液中に排出されると血流にのって腎臓へと運ばれます。腎臓のフィルターでろ過されたクレアチニンは通常であれば血液に戻ることなく尿と共に排出されます。しかし、腎機能が低下することで上手くろ過されずに血液中に戻ってしまいます。血中のクレアチニンの量を調べることで分かる5つの病気をご紹介します。

【クレアチニン(Cr)値で分かる病気とは】

急性もしくは慢性腎炎

血液検査の結果、クレアチニン(Cr)値が基準値よりも高かった場合に疑われる病気の一つに急性あるいは慢性腎炎があります。急性腎炎は鼻炎や扁桃腺炎などのあとに発症することが多く早めに治療することで治癒します。慢性腎炎は血尿やむくみ、高血圧などの症状が継続して起こり、なかなか治癒しにくい病気です。

慢性腎不全

クレアチニン(Cr)値が高くなるそのほかの病気は腎不全です。腎不全は自覚症状が現れにくく、発見が遅れる傾向にあります。症状としてはだるさや高血圧、頻尿などがまず現れます。そのまま放っておくと腎臓のろ過機能が上手く働かないため、体内に老廃物が溜まっていき足のむくみ、吐き気や食欲不振、尿毒症を引き起こします。

肝硬変

肝硬変を患っているとクレアチニン(Cr)値が高くなります。肝硬変により腎臓への血液の供給が不足し、腎不全などの腎臓疾患の原因となるためです。肝硬変が疑われる場合は、さらに尿検査を行うことで判別することができる場合もあります。

心不全

心不全もクレアチニン(Cr)値が高くなる原因となります。心不全により全身の血流が悪くなり、腎臓にも十分な栄養や血液が供給されにくくなります。そして腎臓の排泄機能が低下し、血中のクレアチニン(Cr)値が上昇してしまうのです。心不全が起こると腎臓以外にもさまざまな臓器に影響が及びます。心不全が疑われる場合は早急に医師に相談するようにしましょう。

筋ジストロフィー

血中のクレアチニン(Cr)値が基準値よりも低くなっていると筋ジストロフィーなどの筋肉疾患の可能性があります。筋ジストロフィーとは徐々に筋肉が萎縮して減少していく病気です。体内の筋肉量が減少すると、筋肉から排出されるクレアチニン量も減少します。筋ジストロフィーには歩行異常や転倒を繰り返すなど初期症状が現れます。

最後に・・・

血中のクレアチニン(Cr)の量を知ることで幾つかの病気を発見することに役立ちます。これら5つの病気が疑われる場合は、重症化する前に早めに医師に相談することが大切です。

監修

医師: 塚田 紀理
株式会社HMCエデュケーション 代表取締役社長