コレステロール  基礎知識  生活習慣病  糖尿病  血糖値 
2018.01.22

本当は必要な成分なのに悪者扱い!コレステロールの役割と病気とのつながり

「コレステロール」と聞くと、マイナスなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。コレステロールの値ばかりが気になり、「悪玉コレステロール」は悪いものということは解っていても、その理由までは知らないという方も多いと思います。

しかし、「善玉コレステロール」という言葉があるように、コレステロールは生きる上で大切な要素なのです。今回は、悪者扱いされやすいコレステロールについて、よくある質問と併せてご紹介します。

Q1.コレステロールはどういう役割のために、体の中で作られるのですか。体に必要なものなら、なぜ悪者扱いをされるのでしょうか。

コレステロールは私たちが生活をするうえで、生命を維持するために必要な成分の1つです。
人の体には約60兆個細胞がありますが、コレステロールはその細胞1つ1つに膜を作る大事な働きをしており、それにより細胞内にウイルス・細菌・有害な物質の侵入を防ぐことができるのです。

その他に、下記3つの原料となります。

・男性、女性ホルモンを作る原料
・ストレスの症状を和らげる作用がある「副腎皮質ホルモン」の原料
・口から吸収された脂肪の分解に関わる「胆汁酸」の原料

コレステロールは、人間の体の中で「リポタンパク」という状態で存在していますが、中性脂肪とともに量が多くなると、血液がドロドロの状態になります。

そうすると、血管が狭くなり体の臓器への血流が低下します。その結果、脳梗塞・心筋梗塞などの重篤な疾患を引き起こす可能性があるため、悪者の扱いをされています。

Q2.LDL(悪玉)コレステロールを放っておくとどうなりますか。

コレステロールは、肝臓で主に産生されて、血液に溶けこみ全身に送られます。肝臓から全身にコレステロールを運ぶ役割があるものが、悪玉コレステロールとよばれる「LDLコレステロール」です。LDLコレステロールは、細胞の中に取り込まれなかった余分なコレステロールの成分を血管に溜め込み、動脈硬化を引き起こしてしまいます。 

動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールなどのさまざまな物質が溜まり、血管の弾力が失われて硬くなり、血の流れが悪くなる状態のことを指します。

LDLコレステロールと中性脂肪が高い状態を放置しておくと、動脈硬化が進行していきます。その結果、心臓であれば狭心症や心筋梗塞が、中枢神経であれば脳梗塞や脳出血、脳卒中などの重大な病気のリスクが高くなってきます。無治療の場合、生活習慣病である糖尿病を合併する可能性もあります。

Q3.厚生労働省が2015年、食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しましたが、なぜでしょうか。食事制限はしなくてよいのでしょうか。

2013年に米国心臓病関連の学会から、「コレステロールの摂取量を減らすことで血中のコレステロール値が低下するという明確な根拠がない」という理由で、摂取制限を設けないという意見が出され、日本においても、2015年に食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しました。

健康な人であれば、食事からのコレステロール摂取量はあまり気にしなくてもよいでしょう。ただし、もともとコレステロール値が高い人は、動脈硬化などの進行予防のために、食事制限を行うなど生活習慣を改善させることが重要としています。

Q4.食事制限に効果が見られないなら、他にどういう改善策や予防法があるのでしょうか。

アルコール摂取の制限、禁煙、20分程度の適度な有酸素運動により、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増加させて動脈硬化を予防することが可能となります。

特に、運動に関しては、心拍数が100~120程度の軽い負荷で、脂肪が燃焼しやすい状況としては20分以上の運動がおすすめです。例えば、ヨガ、ストレッチ、水泳が推奨されます。また、禁煙も近年では禁煙外来を設ける医療機関も増加しており、利用してみることをおすすめします。

ちなみに…日常生活において少しでも気になることがある方は

簡単な検査をオススメします。
健康な方も血液検査を受けることにより、自分では気づかない体の異変が分かることがあります。
また、定期的に検査を受けると、自分の健康状態の管理や病気の早期発見、生活習慣病の予防に
役立てることができます。下記に少しでも当てはまる方は簡単にできる自宅血液検査を行ってみてください!

動脈硬化・心筋梗塞など
生活習慣病が気になるあなたに

検査お申し込みはこちら
監修

内科医: 武井 智昭