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2018.01.25

放置は危険!?睡眠不足がもたらす健康リスク

「ゆっくり眠りたい」、そう感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そう思いながらも、忙しい日常に睡眠時間が犠牲になる日々が続いているかもしれません。

不眠や睡眠不足の症状は,さまざまな心身の症状と関連し、身体疾患や精神疾患などを引き起こすと言われています。全国調査によれば、慢性不眠の症状の人には、腰痛、体重減少、頭痛、疲労、苛立ち、興味の喪失、高血圧症、糖尿病、胃・十二指腸潰瘍や、うつ病の症状まで見られるそうです。このように寝不足には怖い症状が発症する場合もあります。
睡眠はなぜ必要なのか? 思わぬところに現れる病気との関係性も含め、判りやすく解説いただきます。

Q1.そもそも人はなぜ睡眠が必要なのでしょうか。

不思議なことではありますが、睡眠に関してはまだまだ分かっていないところもあります。睡眠がホルモンバランスの調整だけでなく、体と脳を休息させるために必要です。考えることや記憶することなど知的活動は体と違って、寝ている時しか休むことができません。

また、睡眠時間に関しては、年代によってバラバラです。睡眠は成長ホルモンの分泌を行いますので、10代は8~9時間程度の睡眠が理想と言われております。40代であれば、7時間程度、65歳以上なら6時間程度の睡眠が一般的です。ただし、注意してほしいのは、様々な書籍などで適切な睡眠時間の記事がありますが、あくまで理想や平均値であって、個人差がかなりあることを忘れないでください。

自分自身に最適な睡眠時間を見つける方法として、翌日が休日の時にやって欲しいのですが、目覚ましなどで起きるのではなく、「自然に目があいた時間」を何日か確認していくことで、自分自身にあった睡眠時間を見つけやすくなります。その時の注意点としては、就寝時間は必ず一定にしてチャレンジしてください。

Q2.慢性的な睡眠不足になるとどうなるのでしょうか。

慢性的な睡眠不足になると、ホルモンバランスが崩れることで、様々な症状や疾患につながっていきます。また、体や脳が十分な休息をとれないので、色々な影響が出てくることも想像することが容易でしょう。

身近なところでは、免疫力の低下から、風邪をひきやすくなります。また血糖値を正常に保とうとする力が弱まり、血糖値が上昇しやすく糖尿病のリスクもあがります。その他にも、高血圧や脂質異常症など生活習慣病のリスクが高くなります。

肉体的なことだけでなく、精神的なところとして、集中力が低下したり、すぐにイライラしたり、何もやる気がなくなったりなどの症状も認めます。その結果、うつ病などになる人もいます。

Q3.平日は短い睡眠時間しか摂れないので週末にたくさん眠る、という人がいますが、週末の睡眠量で平日の睡眠量は補えるのでしょうか。

平日は残業などで睡眠時間が足りなくて、週末にまとめて「寝だめ」をする人がいます。しかし、結論から言うと寝だめはできないと研究報告が出ています。
これには、人間の中にある2つの時計が関係してきます。

1つは<体内時計>と言われる「サーカディアンリズム」です。
これは、光や暗闇に反応することで、人間の覚醒と睡眠のスイッチを切り替える約24時間周期の時計です。
もう1つは、<体内砂時計>と言われる「恒常的睡眠欲」です。
これは、眠れない時間が増えるとドンドン眠気が出てくるものです。

この2つのうちで、睡眠時間を決定するのは、「サーカディアンリズム」です。24時間の不眠のあとは睡魔ですぐに入眠するでしょうが、体内時計が動き出し、適切な時間に覚醒するように仕組まれています。睡眠時間を決定する要因は、覚醒していた時間ではなく、体内時計に左右されるので、寝だめはできないのです。

Q4.睡眠時間が短くても良眠を摂る方法や、日頃から無理なくできる睡眠不足解消法はありますか?

日頃の睡眠不足を解消する方法として、様々な方法が提唱されており、どれも科学的にも実証されているので、悩まれている人は積極的に取り入れてほしいです。

まずしっかり朝日を浴びることです。そして意外かも知れませんが昼寝をしてください。ただし、15時までに30分以内にしないと夜の睡眠に影響がでると言われているので、注意してください。
また、寝る前の長時間のスマホやテレビはやめましょう。睡眠前はできるだけ目を使わないように音楽などでリラックスできるようにしましょう。

リラックスにつながる入浴は、睡眠の1時間ほど前のぬるま湯がおすすめです。入浴で体温が上がって、少しずつ体温が下がっていく時に入眠できるように調整してください。
間違った解釈で、睡眠のためにアルコールに頼る人がいますが、これは絶対にやめてください。結局浅い睡眠になり、質の悪い睡眠になります。

できれば生姜湯などの温かい飲み物がおすすめです。睡眠を意識づけるためには、寝る時は決まったパジャマに着替えるのもよい方法です。

日常生活を少し変えるだけで、自分のライフスタイルにあった、快眠のヒントを見つけられますので、どんどんチャレンジしていきましょう。

監修

精神科 心療内科: 井上 智介