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2018.02.05

国内だけじゃない!世界規模で増加中糖尿病患者数が増えている理由

厚生労働省が行う「国民健康・栄養調査2016」版で、糖尿病が強く疑われる患者の数が、推計1,000万人に上ったことをご存知でしょうか。

前回の2012年時の調査から50万人増となったことが話題になりました。他にも、3年ごとに厚生労働省が行っている「患者調査」でも、年々、糖尿病患者の数が増えていることが判っています。
更に、WHO(世界保健機関)によると、世界の糖尿病患者数は3億5,000万人に上り、今後20年間で少なくとも倍増すると見込まれています。世界規模で増加している糖尿病患者。増加の理由とその恐ろしさ、予防・改善策を教えていただきます。

Q1.糖尿病は恐ろしい病気だと言われますが、どういう病気なのでしょうか。

糖尿病は体内で糖分や脂肪分が上手く利用できない病気で、血管の中に糖分があふれ、それが充分に処理されないことから起きます。血管に糖分があふれている状態を「高血糖」といいますが、余った糖分は猛毒で、色々な体の部分を劣化させていきます。

初期の糖尿病では、何の症状もないため放置しがちで、体の中ではどんどん病気が進行していきます。そして、いつの間にか取り返しが着かなくなってしまうことが最も恐ろしいところでしょう。

糖尿病で管理が悪い状態が続くと、症状が出始めます。高血糖そのものによる症状と、高血糖が続いた結果、体が劣化して起きる症状(合併症)があります。

①高血糖による症状

口渇、多尿、全身倦怠感、腹痛、下痢、嘔吐、吐き気、体重減少 など

②合併症による症状

血管の劣化・神経への毒の貯留・最終糖化産物による細胞の劣化・インスリンの出過ぎなどによって様々な合併症を起こしますが、中でも、網膜症・腎障害・神経障害を三大合併症と呼びます。

A.血管がもろくなって起きる合併症
・目の血管が破れて出血することによって起きる網膜症は、ある日突然失明する病気で、治療法や予防法が進んだ現在でも中途失明の第2位です。

・腎臓は小さな血管の集まりで、体にとって必要なものと不要なものを分け、不要な毒を捨てる役割がありますが、これが上手くできなくなり、疲れたり体が腫れたりします。糖尿病で透析を始めた場合10年以上生存する人は少数です。

・心臓の血管の劣化による狭心症や心筋梗塞、脳の血管がつまったり破れたりして起きる脳卒中、陰茎の血管の劣化によるEDなどが普通の人よりもずっと起こりやすくなります。


B.神経に毒が貯まって起きる合併症
ソルビトールが、神経の細胞に大量に貯まり、手先や足先のしびれ、腸を動かす神経が機能しなくなることによるひどい便秘、血圧の調整を行う神経が機能しないためのひどい立ちくらみ、心臓を動かす神経が機能しなくなるための不整脈などを起こします。


C.インスリンが効きにくいことによって起きる合併症
多くの2型糖尿病では、インスリンの効き方が悪いため、インスリンが出過ぎることがよくあります。インスリンは血液中の糖分を体に移動させますが、炎症(病気)を起こしやすい作用もあり、これが血管の老化に拍車をかけ、ガンや認知症を起こしやすくします。


D.糖分とタンパク質が硬くくっついてできる最終糖化産物による合併症
過剰な糖分と体内のタンパク質が硬く結びついてできる最終糖化産物は、新しいものと取り替えることができない劣化したタンパク質で、これ自体が骨・心臓・脳・筋肉・皮膚・免疫機関・血管などの老化を起こすため、骨粗鬆症・白内障・アルツハイマー病・ガン・関節炎・皮膚のシワ・風邪を引きやすい・傷が治りにくいなど様々な病気や症状が、糖尿病のない人と比べ起きやすくなります。

Q2.「危険」という認知度が高い病気だと思うのですが、なぜ年々患者数が上がっているのでしょうか。

①食事の質・食べる時刻・食べ方の変化や、②体を動かすことが少ないこと、③精神的なストレスが多いこと、④睡眠不足、⑤電磁波を浴びることなどが糖尿病急増の主な原因です。

①食事の質・食べる時刻・食べ方の変化

・食事の欧米化でお米より小麦製品を食べる機会が増えたこと
穀類のような過剰な糖質は糖尿病のもとですが、小麦類の方がお米より、腸に炎症を起こし腸内環境が悪くなりやすく、腸内に悪玉細菌が過剰に増え、その細菌の出す毒素がインスリンの効きを悪くさせ、糖尿病になりやすくさせます。

・加工食品や揚げ物
悪い油が含まれており、インスリンを出す膵臓、インスリンを受け取る筋肉や肝臓の働きを低下させるため。

・加工食品や現代農法の農産物
食品添加物、農薬・殺虫剤・抗生剤など炎症を起こす悪い物質をたくさん含み、こうした食べ物は体の細胞の機能を低下させるため。

・柔らかいモノなどしっかり噛まない早食い
噛むことでインスリンの調節をするホルモンが充分に出ず、高血糖になりやすいため。

・夜遅い食事
インスリンが朝や昼に比べて効きにくく、高血糖になりやすいため。

②運動不足、活動不足

筋肉を使うことはインスリンと関係なく、糖分を血液中から細胞に移動させ、血糖を下げますが、社会全般の機械化(職場の機械化、家庭の電化、電車・バスなどの移動手段の発達、仕事の質の変化(肉体労働より机仕事)など、日常生活で体を動かし筋肉を使う機会が減り、高血糖が続きやすくなるため。

③過剰なストレス

夜遅くまでの残業、複雑な人間関係、将来への不安など、精神的・肉体的なストレスがあるとそれを緩和するために副腎がコルチゾルというホルモンを出しますが、コルチゾルは高血糖を引き起こすため。

④睡眠不足

夜遅くまで起きていることで、体内時計が狂い、睡眠不足でコルチゾルが増え、高血糖を起こすため。

⑤電磁波を浴びること

家電、スマホなどの携帯デバイスから出る電磁波は高血糖にする作用があるため。

現代的なこうした生活をできるだけ避けることが重要です。質の良いものをよく噛み、体を動かし、精神的なストレスを管理し、電気製品を必要最低限にし、早寝早起きすることが糖尿病を防ぎます。

Q3.糖尿病にかかったら、完治はしないと言われていますが本当ですか。

薬が必要なく、糖尿病でない人と同じような生活を送ることは可能ですが、どんな生活をしてもまったく糖尿病が再発しない状態を「完治」と呼ぶならば非常に難しいでしょう。何年間も薬が不要のよい状態が続いたとしても、大けがなどの大きなストレスがかかると糖尿病がぶり返してきます。

Q4.糖尿病になってしまったら、どういう生活を送ることになりますか。

重症度によって生活はかなり変化しますが、本当に質の良いものを食べ、体を適正に動かし、心の問題を上手に管理し、早寝早起きしてぐっすり眠れると、多くの場合は合併症を起こすこともなく、薬も必要なく人生を満喫できるでしょう。

初期で何も症状が無くても数ヶ月~1年に1度の採血で、糖尿病の状態を調べ、眼の検査などで、合併症が出ていないかなどの検査が必要です。食事や運動、生活療法がどれだけ実行できるかで治療も飲み薬、注射など大きく変わります。さらに合併症が出始めるとその治療も必要です。

ちなみに…日常生活において少しでも気になることがある方は

簡単な検査をオススメします。
健康な方も血液検査を受けることにより、自分では気づかない体の異変が分かることがあります。
また、定期的に検査を受けると、自分の健康状態の管理や病気の早期発見、生活習慣病の予防に
役立てることができます。下記に少しでも当てはまる方は簡単にできる自宅血液検査を行ってみてください!

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監修

内科医: 松本 明子